長い間、実に長い間、私は大きな間違いをしていた。
それは、人生のある時期以降ずっと、サンタクロースはいないのだと思っていたことだ。
しかし、今頃になって、私はようやく、その間違いに気づいた。
有名な1897年のザ・サンの社説を引用するまでもなく、間違いなくサンタクロースは存在する。
クリスマスのこの時期に、大切な人の喜ぶ顔に思いを馳せ、その人の幸せを願うのは、それは、サンタクロースがそうさせているからに他ならない。
サンタクロースは、人でなくてもよい。
例えば、クリスマスに、大切な人の幸せを願う事。
例えば、クリスマスに、人々を暖かい気持ちにさせるもの。
クリスマスに私達をそうさせる、その不思議な何かがサンタクロースなのだ。
子供達が、もう少し大きくなったら、サンタクロースを信じない誰かから、サンタクロースなんていなんだと聞かされる事になるかもしれない。
その時、子供達は私に、
「ねえ、本当はサンタクロースはいないんだよね?」と聞いてくるだろう。
私は、こう答える。
「サンタクロースはいるよ。
でも、君がサンタクロースを信じなくなったり、君がサンタクロースががいないと思ったら、その時から、サンタクロースはいなくなるんだ。
でも、大丈夫。
それでも、いつかまたサンタクロースは現れる。
その事は、いつかきっと解る」