今さら言う事でもないのだが、私は息子を溺愛している。いや、激愛している。いや、爆愛している。(笑)
遅くに出来た子供だけに、本当に愛おしく思っている。よく、どれくらいかわいいの?目に入れても痛く無い程かわいい?とか聞かれるが、私なりの言い方をすれば、「涙が出るくらい、かわいい」という表現が一番フィットする。
実は、私の事をよく知っている何人かの人間は、私に子供が出来たという話を聞いて、「あいつに子供が出来て本当に大丈夫なんだろうか?」、「奴は、自分の子供をちゃんと育てられるのだろうか?」と、密かに、そしてかなり真剣に心配をしてくれていたらしいのだ。そういう話を、つい最近耳にした。
まあ、その心配もよく解る。私は自他共に認める子供嫌いだったのだから。
子供が嫌いだという事は、人間性に問題があるように思われがちなので、あまり人前では言わないものなのだが、私は、誰はばかる事なくそれを公言するくらい、筋金入りの子供嫌いだった。電車の中で小さな子供が泣いていると、「チッ」と舌打ちをするくらいの人非人だったのだ。(笑)
そんな私を知る彼等からすれば、そういう心配をしてくれたのも当然と言えば当然だといえる。
最近私は、子供ができて人間というのは一人前になれるのかも知れないと思うようになった。親になることで人間としても成長するように思うのだ。
今の私は、電車の中で小さな子供が泣いていたら、かわいそうで気になって仕方ない。私があやしてあげようかくらいの勢いで気になってしまうのだ(笑)。自分に子供ができると、他人の子供も許せるようになる。
子供ができていなければ、理解できなかった感情だ。
そんな事を私に感じさせるようにしてくれたのは、やはり息子のおかげなのだと思う。
最近うちの息子は、ベビーベッドで寝る事を拒否して(笑)、私達の寝ている大きなベッドで一緒に寝るようになった。最近仕事で遅くなってベッドに入るのが朝方になることもしばしばなのだけれど、そういう時に大きなベッドのまん中で偉そうに大の字になって寝ている小さな息子を見ると、ついつい「ふふっ」と声を出して笑ってしまう。何度見ても、いっちょまえに、両腕を広げて大の字で寝ている姿が可愛くて可笑しいのだ。
お前が生まれて来る前は、お父さんは既にいっちょまえだと思っていたけど、実はそうじゃなかったらしいよ。お前が生まれて来てから、その事がよく解ったよ。息子の寝顔を見ながら、そう思う。
そして、その後もじっと息子の顔を見ていると、少し涙が出そうになる。よく生まれて来てくれたと思う。
ああ、本当によく私の息子に生まれてきてくれた。寝顔を見ながらそう思う。