ピアノの連弾発表会で、ハートとオブラディオブラダをやると決まってから、懐かしくなり最近よくビートルズを聞いている。
私は、世代的には、ビートルズが解散してからビートルズを聞き始めた世代だ。
ビートルズが正式に解散した1970年には、まだ小学生だった。当然であるがライブなビートルズは知らない。
私達は、ライブで聴く事のできなかった嫉妬のようなものを上の世代に感じつつ、リアルタイムで聴けなかったぶん、残されたアルバムを大事に聴いていた。私達の世代は割とそういう人が多かった思う。
解散から4〜5年。丁度ビートルズが伝説になりはじめた頃の話だ。
その頃の私達は、解散にまつわる様々な噂などを物知り顔に話したり、ジョン派・ポール派に別れて生意気な論争をしたり、あるいはビートルズの復活はあるのか、などと世の中の仕組みや裏側をまだよく理解できてないが故の純粋さで、色んなことを想像し、語り合ったものだ。
当時、私はビートルズのアルバムを8組持っていた。
そのうちの2組は、解散してから出した青盤・赤盤と呼ばれるベストアルバム。
あとは、
Rubber Soul
Revolver
Sgt.Pepper's Lonely Hearts Club Band
The Beatles(ホワイトアルバム)
Abbey Road
Let It Be
今も実家に眠っているはずだ。
ジョンが亡くなったのは、18の時だった。
京都駅のホームに入ってきた電車に乗っていたサラリーマンが読んでいたスポーツ新聞の、その1面にジョンの死が踊っていた。
あの時の事を、その風景を、私は今でも鮮明に思い出す事ができる。
ただ訳も無く、何かが終わったという思いだけを、京都駅のホームで漠然と強く抱いた。
その後は、あまりビートルズは聞かなくなった。
二人目のビートルズの死を知ったのは、2001年の冬の朝。
一人で、遅めの朝食をとっていた時に流れたテレビのニュース速報だった。テレビの画面に流れるテロップを見ながら、ただ茫然とした事を思い出す。
その日は、「My sweet road」が頭の中に一日中鳴り響いていた。
ジョンやポールよりも、なんとなくジョージが好きだった私は、彼の死もやはりショックな出来事だった。
ジョージの訃報に触れて、どうしようもない郷愁にかられた私は、若い頃に持っていたアルバムのCDを購入した。
今、その時購入したCDを、すべてiPodに入れて、聞いている。
ハートに、演奏するOB-LA-DE, OB-LA-DAを聞かせて、こういう楽しい音楽なんだよと教える。
息子とビートルズを演奏する。
それは、私には、何かすごく特別な事のように思えてしまう出来事だ。